企業やメディアが言う「学生に求めているのはコミュニケーション能力」に騙されるな!就活するにあたって覚えておいてほしいコミュニケーション能力の正体
みやしたんくです。 ブログ書くの楽しくなっちゃったのです。
今日は就職活動をしている学生の皆様に僭越ながらアドバイスさせていただきたく筆をとりました。
「コミュニケーション能力がないんだよぉ…おぉ~ん。」とお嘆きの就活中の学生の方にぜひ読んでいただきたいです。
就職するにあたって「コミュニケーション能力」が重要だ!ていうのはとても頻繁に言われていますよね。
でもみなさん「自分はコミュニケーション能力に自信がない…」って思ってませんか?自信たっぷりに「おれはコミュニケーション能力がある!」っていう人はかなり少ないと思います。
自慢じゃないんですがぼくは結構コミュニケーション能力あるんですよ(自慢です)。
なぜかと言うと、ぼくは某O田プロダクションという事務所に所属し、8年ほどお笑い芸人として活動してきました。
コミュニケーションの中でも難易度の高い「笑わせる」ということを人1倍考えてきたのです。ライブの回数はおそらく100回は下らないですし、めちゃくちゃウケたことも、あれ?「おれ本当は死んでて誰にも見えてないのかな?」ってくらいすべったこともたくさんあります。
結果売れなかったけどね!うるせえ!
そんなぼくが、今現在Web制作会社という、いわゆる普通のビジネスマンになってみて、巷でよく言われる「企業が学生に求めているのはコミュニケーション能力」だということに疑問を持つようになりました。今日は一言物申させてください。
企業は本当に学生に「コミュニケーション能力」を求めている?
こんな記事毎年見かけますよね。企業が「学生に(中途にだって必要だろうけど)コミュニケーション能力を求めている」というのは定説になっているように感じます。 この記事にもこんな風に書かれています。
「企業が学生に求める能力」の結果を見ると、断トツの1位は「コミュニケーション能力」で、実に83%もの企業が求める能力として挙げている。2位の「チームで働く力」ですら49%と半数を切っており、「コミュニケーション能力(コミュ力)」がいかに重要とみなされているかがわかるだろう。
この記事を見ると(元データが見れないので)「割合」とあるので、おそらくこの回答項目がすでに用意されていて、「あなたの企業が学生に求める能力に○をつけてください(複数回答可なのか3つまでとかなのか)」とかいうアンケートなんでしょう。
まずこれがデータとしてどうなの?て思ってるんです。
だって企業の採用担当に「コミュニケーション能力を求めますか?」って聞いたら「はい」って言いますよねそりゃあ。
「うちの会社にコミュニケーション能力はいりません!」っていう会社があったら怪しいですよ。やべえ仕事ですよ絶対。銀行口座とかをひたすら作りまくる仕事ですよ。
他の項目もないよりはあったほうがいいようなものばっかりですが、
なんとなくコミュニケーション能力って言うと「チームで働くことが前提のサラリーマンには必須」
という感じがしませんか?
「コミュニケーション能力」の定義が曖昧で世の中のコミュ障を不安にさせてる
で、最近は大体上記した記事のように
「企業がもとめる「コミュニケーション能力」は学生がイメージする「面白い話をすること」とか「初対面の人とスムーズに話せること」じゃないんだよ~気をつけろよ就活生☆キラッ
みたいなニュアンスのことが書いてあるんですが、「いや学生をバカにしすぎじゃね?」って思うんですよね。
いやそりゃあバカもいるだろうけど、落ち着いて考えたら面白い話をすることを会社が求めてないことくらいわかるでしょ大学生だって。
そこの大学生!そうだよね!?
で、じゃあ企業が求めてるコミュニケーション能力ってなんなの!?ってなるじゃないですか。
先ほどの記事ばっかり言及して申し訳ないですが(他も似たようなもんなんで)、引用させていただきますね。
「相手の求めるものを聞き出せる」「相手の真意・感情を推し図れる」「こちらの考え・感情を正しく相手に理解させることができる」「意見の違う相手との折り合い(解決)をつけられる」「信頼関係を築くことができる」など、コミュニケーション能力という一つの言葉の中には多くの要素が含まれる。
ほうほうなるほど。
天下のマイナビさんの記事ではこんなの。
企業側が「コミュニケーション能力のある人材がほしい」と言った場合には、「コミュニケーションに必要な総合力」のことを指す場合が多いよう。
うん
で?
っていうね。
結局なにを求めているのかよくわからないのです。んで総合力って言っちゃったよ!元も子もねえわ。
こんな情報が巷に溢れているので、学生だけなく社会人だって「自分はコミュニケーション能力が低いんだよなあ…」なんて悩んじゃうんですよ。
企業側もちゃんとわかっていない「コミュニケーション能力」の本質
誤解しないでください。ぼくはこういう記事がダメだと言いたいわけじゃないんです(浅いなあとは思うけど)。
ぼくが言いたいのは、ぶっちゃけ企業側も
自分たちが求めている「コミュニケーション能力」が何かをわかってないんじゃない?
ってことなんです。
さきほど紹介した記事の1ページ目にあるんですけど、企業が採用のページに載せている「求める人材」として書かれていることをピックアップしてるんですよね。
一部抜粋させていただきます。
「様々な社会課題に立ち向かうため、自ら周囲に働きかけ、大きな力を生み出し、最後までやり抜く人」(三菱電機)
「楽天主義を理解し、共感し、実行に移すことができる方」(楽天)
「ヤマトのDNAに共感できて柔軟な思考とチャレンジ精神をもった方」(ヤマト運輸)
「進取の気性にあふれ、未知のものにチャレンジする気概に満ちた人」(キヤノン)
「常に挑戦、成長し続ける人」(ニトリ)
いや全然コミュニケーション能力でてこないんかいっ!
これが企業もコミュニケーション能力がなんなのかわかっていない、あるいは定義できていない証拠ですよね。 企業もコミュニケーション能力が必要か?と言われれば、「まあ…はい」と答えるんですが、コミュニケーション能力が何かはよくわかってない状態で答えているんです。
なのでもう「コミュニケーション能力を求めてます!」とか言うのやめませんか?って思うんです。
端的に言うと、企業側が欲しい人材って
成果をだせる人
じゃないですか。それは「売上に貢献できるスキルをもってる人」という会社もあれば、「スキルが低くても人柄を重視して、それが長期的には成果につながる」と考えている会社もあるでしょう。
もちろん経験のない学生にいきなり成果を求めるのは難しいので、そういう言い方はしないでしょうが、なんにせよコミュニケーション能力なんていうのはただの手段なんです。
目的のないコミュニケーションなんて存在しない
「コミュニケーション能力とは」
とかで検索すると、
「意思疎通する力」
なんて言い方をしている記事も見かけますが、じゃあ意思疎通する力って具体的になに?ってなると「表現力」だったり「傾聴力」だったり、結局色々な総合力なんですね。
このような世の中の多くの「コミュニケーション能力」の定義に欠けている視点があります。
それはなぜ意思疎通をするのかという「目的」の部分がごそっと抜け落ちていることです。
詳しく説明しますね。
コミュニケーションが「人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達」であることに異議はありません。でもなぜこの知覚・感情・思考をなぜ伝達する必要があるのでしょうか。
それは1人ではできない「目的」を達成するためにほかなりません。
目的というと大層に聞こえますが、相手に共感してほしいとか、意見を聞きたいとかだって立派な目的です。
例えばビジネスシーンで考えてみてください。
営業マンがコンペ案件でクライアントのオリエン(プロジェクト主旨や与件を説明する会)に参加する、というコミュニケーションはよくありますよね。
この場合の目的は
営業マンの目的:
「コンペで勝つための材料をそろえること」
クライアントの目的:
「各パートナー企業に自分たちがやりたいこと、課題だと思っていること何かを明確につたえ、欲しい提案がもらえるようにすること」
という感じでしょう。
これがプライベートだったとしても同じです。他愛もないコミュニケーションにだって必ず目的があります。
例えばAさんがBさんに「先日見た映画がとても面白かったのでぜひ見たほうがいい」という話をBさんにしていたとします。
この場合の目的は
Aさんの目的:
「Bさんに映画の面白さを伝えて、その映画をみてもらうこと」
Bさんの目的:
「Aさんの映画の話を聞いて、見に行くのか見に行かないのか、あるいは保留にするのか、そもそもこの話をさっさと終わらせるのか判断する」
このようにどんな場合でもコミュニケーションが発生しているときはどちらか、あるいは両者(第三者も含む場合もあるけど)に目的がありそれを達成するための手段なわけです。
意思疎通それ自体が目的なのではなく、意思疎通をして、お互いがどうしたいかというものが必ず存在しているのです。
こういう話をすると、
「目的のないコミュニケーションだってあります~雑談したり挨拶することは目的がないけど大事なコミュニケーションです~ぺろろーん。」
とか言いだす人がいるんですが、すみませんが全くの見当違いです。
挨拶や雑談はしないよりするほうが社会的にも個人的にも好感をもってもらえるからするのです。
ご両親の教育のたまもので、無自覚だったとしても目的がないわけではありません。
その場での短期的な目的は無いかもしれませんが、長期的にはその後のコミュニケーションを円滑にするなんていう目的があるわけです。
本当に企業が求めている「コミュニケーション能力」を一言で表すと
つまりコミュニケーションとは何か目的を達成するための必須の手段なのです。
ここまでくると自ずと企業がなぜコミュニケーション能力を求めるのかというものが見えてきます。
「企業が求めているコミュニケーション能力」というのは一言で表すと
「コミュニケーションという手段を使って目的を達成する能力」
なんではないでしょうか。
あれ?
ちょっとまって。それってもはや仕事そのものじゃない!?
おいおいどうなってんだよ!責任者だせよ!
ということは企業が学生にコミュニケーション能力を求めると言ったとき、それは
「どんな人材がほしいですか?」
「仕事ができる人でぃす!」
って言っているのとほぼ変わらないんですよ。
というか何にも言ってないのと一緒なんです!!!!!
もちろん間違ってはいないんですよ?
成果を出す=目的を達成する(目的を設定する能力もあるが)人が会社としては欲しいんですから、それを便利な言い回しである「コミュニケーション能力」という言葉を使うのは自由です。
しかし、一概にコミュニケーション能力と言っても、みなさんご認識のとおり複数の総合力なので、コミュニケーションの中でもどの部分が得意、どの部分が苦手、なんていう得手不得手が存在するんです。
同様に仕事でも、業務の内容やフェーズによってコミュニケーションのどの部分が必要なのかは変わるはずなんです。
そういったことを企業側も、記事を書いてる人もわかっていないのに、
「学生が就職するにはコミュニケーション能力が求められてるよ~」
「つってもお前ら学生が思ってるコミュニケーション能力とは違うけどね~」
っていうのは学生をビビらせてるだけなんですよ!
だからぼくは学生のみなさんに声を大にして言いたいんです。
企業やメディアが言う「コミュニケーション能力を求めてます」に騙されるな!と。
面接なんかで「弊社はねえコミュニケーション能力が高い人材をもとめてるんだよ。チミぃ。」と言われたら、
「なるほど。コミュニケーション能力という言葉には多くの意味がこめられていて、結局コミュニケーションという手段を目的達成する能力という以外には何にも言っていないのと同義の無意味な言葉だと思っているんですが、御社のどういう業務で、どういうタイミングで、どういうコミュニケーション能力が必要なのか教えてもらえますか?それ次第でぼくがすぐに役に立てる部分、これから鍛えていかなかればいけない部分、なんかが見えるのだと思いますが、どうお考えでしょうか」
って言ってやればいいんですよ。 コミュニケーション能力が必要とか言っちゃう人はほぼ100%モゴモゴすること請け合いですから。
まあ
「めんどくせえやつ来た~こいつコミュニケーション能力ねえわ~」
ってなってお祈りメールくるかもしれませんが、それは自己責任でね!
まとめ
とにかくぼくがいいたいのは、
企業はコミュニケーション能力を求めている
→「ぼくは、わたしはコミュニケーション能力が低いので…」というのは非常にもったいないですよということです。
企業側も定義できていない「コミュニケーション能力」なんていう言葉に惑わされず、自分がどうなりたいのか、そのためにはどういう能力が必要なのか、ということを真摯に考えることが最も重要だと思うのです。
いーじょう!