元お笑い芸人がWeb業界に入ってがんばるお噺

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マーケティングの仕事をしたいぼくたちは商品そのものになるだけではいけない

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マーケティングの仕事をしたいぼくたち

マーケティングの仕事をしたいって考える人結構いますよね。新卒でも中途でもどちらでも一定数いるんじゃあないでしょうか。
何を隠そうぼくもマーケティングの仕事をしたいって考えて就職した口です。現在受託でデジタルマーケティングを支援する会社で主に制作のプロデューサー兼ディレクターとしてお仕事をしています。

マーケティングってなんかかっこいいですよね。カタカナだし、めちゃくちゃかっこいい。
アホみたいなこと言いますけどなんとなく華やかなイメージですし、「マーケティングやってます」って言ったらモテそうじゃないですか?
ぼくはほら既婚で二人の子持ちメンなので全然ですけど、未婚だったらモテてるはず。たぶんぜったい。

あと単純にマーケティング戦略でうまくいったビジネス事例!みたいなものがテレビで特集されたり、本が出たりもしてますよね。
有名なところだとスターバックスとか。

  • 薄利多売が主流だった中であえて高価格で
  • テレビCMなんかの広告はやらない
  • イメージのために高級なエリアに出店

こういう逆張り的な戦術とかが取りざたされていることも、マーケティングってなんかかっこいい!とイメージアップなされている要因かもしれません。

漠然と「マーケティングの仕事がしたい」では危険かも

……いやわかってますよ?「マーケティングの仕事は泥臭いことばかりだぞ!なめんなよ!」って思いますよね。
まあなめてるかどうかはともかく、なんとなくかっこいい!から入るのは全然いいと思うのです。どんな仕事だって最初はそんなもんじゃないでしょうか。どんなギタリストも最初は「女の子にモテたくて始めた」っていうのと一緒です。(ギタリストのみなさんそうだよね?)

ただもし本当に就職や転職をする場合は「自分がマーケティングの何にあこがれているか」を言語化しておくことが必須です。
マーケティングってすごい広義で使われているので、ちゃんと言語化できていない人も多いんではないでしょうか。 これはマーケティングの仕事に限った話ではありません。

スタバの事例を知って「マーケティングってすごい!」って思ったとしても「スタバに就職します!」とはほとんどの人がならないわけです。
想像ですけどスターバックスに新卒で就職したら、おそらく最初はどこかの店舗の店長とかをやるんじゃないでしょうか。(実際募集要項に書いてありましたhttps://job.rikunabi.com/2020/company/r341200061/

店長はめちゃくちゃマーケティングな仕事かもしれないですが、スタバの例を知ってマーケティングを仕事にしたい!と思った人はスタバの店長になりたいとは思っていないはずです。これをスタバのパラドクスと言うんですね(大胆な嘘です) 。

また、マーケティングという名前の部署に入れればよいかというとそうでもないはずです。
マーケティングという名前がついている部署でも、やっていることは社内の依頼に応じてサイトを更新しているだけだったり、メール配信システムを管理する部署として事業部から言われた通りのセグメントと内容でメール配信の設定をするだけだったりすることもあります。
マーケティングの仕事がしたい!と思う人はきっと「こんなことがやりたかったんだっけ?」となってしまうんではないでしょうか。

マーケティングの仕事がしたいというのはビジネスの流れに関わりたいということ

就職や転職する前にちゃんと聞けばわかるっしょと思うかもしれませんが、マーケティングの仕事がしたいということを整理できていない状態では適切な質問はきっとできません。
ぼくらがマーケティングを仕事にしたいというのはどういうことなのか。 

ぼくはこう思っています。
「商品を必要とされている人に届けるための仕組みをつくりたい。」  そして出来ればそれがわかりやすく数字的な成果で見えると尚ベター。結構みんなそんな感じじゃないかなと。 つまりこれってビジネスのプロセスの一つじゃダメなんです。できれば全体、少なくとも作るだけ売るだけではなくて一気通貫した仕事がしたいんですよね。

ではビジネスで複数のプロセスに関わるためにはどうしたらいいのか。
ビジネスモデルとか会社の文化とか個人のマインドとか色々な観点はありますが、基本は「自分が商品そのものになるだけではいけない」という軸があると良いのではと考えています。

「商品そのものになるだけ」とはどういう状態か

「自分が商品そのものになるだけ」というのはどういうことか。
それは「売られるだけ」の存在になってしまうということです。

パン屋さんだったらパンそのものです。
時期によって何が売れるのか考える、何を仕入れるのか考える、どんな商品を開発するのか考える、どんな人にどうやって知ってもらうのか考える、どうやったら売れるのか考える、すべてパンそのものは考えません。
ただ食べられる、それがパン。お客さんの空腹を満たすミスターストイック。それがパンです。(ミスターストイックは小比類巻でした)

こんな感じで商品そのものになってしまって、考えることを他人に任せているようではマーケティングの仕事には程遠いんではないかと思うわけです。

デジタルマーケティングの世界で考えてみると、Web広告の運用なんかはマーケティングの仕事っぽいですよね。
でも前述したようなことを考えずに、ただ管理画面の数字やキーワードを調整したり言われたままレポートをつくるのはただのパンになってしまっているということです。
極めればめちゃくちゃ美味しいパンになることはできるかもしれませんし、まずはひとつのスキルを軸にするのはとても大事なことです。
しかしそれだけではマーケティングの仕事とは言えませんよね。

そのビジネスがどういうプロセスで利益を生み出しているのか、自分がやっている作業はどのプロセスなのか、そしてビジネスにどういう影響があるのか、ということを意識して動けるのがマーケティングの仕事と言えるんじゃないでしょうか。

なので、別に派手なプロモーションとか大量の予算を投下するような花形部署でなくてもいいはずです。花形部署だろうがただのパンになってしまうことは十分ありえます。
そんなパンになってしまう花形部署であれば、いろんな会社に電話しまくってアポをとるというテレアポのほうがよっぽどマーケティングに近いです。商材を理解して、どうにかしてリストを集め、メリットを伝えて、アポをとる、そして売る。みんなハッピー。
成果もわかりやすいですし、パンとして売られるだけより全然マーケティングの仕事と言えると思います。

マーケティングの仕事をしたかったら組織もちゃんと選んだ方が良さそう 

個人の意識や動きでビジネスのプロセスを意識して広げることは可能だとは思います。
例えば社内からの依頼でただメールを出すという仕事だとしても、なぜこのターゲットなのか、なぜこの内容なのか、目的や意図を聞いてみたり想像することはできます。
さらにその結果どうなったのか、メールが開封されたことだけでなく最終的な利益につながっているのか、貢献できているのか調べてみる。なんていうことも無理ではないかもしれません。

とはいえ社内の文化やビジネスモデルによっては、個人の努力ではいかんともしがたいこともかなりあると思います。 単純に風通しがよくない文化のところでは、自分が担当した前後のプロセスも大して共有されず、なんてこともあるでしょう。 
それに当然その部署が担っているメイン業務の責任を果たさないことには他のプロセスに関わるなんてできないわけです。まずちゃんと自分の仕事をしようぜってのは当たり前なので、単純に忙殺されちゃうとか。すごくありそう。
具体的な数字に反映されているとか結果が全然わからないというのはマーケティングを仕事にしたい人にはきっとつらい環境だと思います。(まあどんな仕事でもつらいかもですが) 

ということはただのパンになりたくない人が就職や転職をするときに見るべきは、複数のプロセスにどの程度関われそうかというところかもしれません。 メールを送るという作業だとしても、その前後のプロセスがちゃんとわかるような文化や仕組みをもった組織がよいんでしょう。

どうやって見分けたらいいかは色々あると思います。
単純に組織構成とか職務分掌みたいなものでわかることもあるかもですが、もっとリアルなところであればそのチームが追っている目標やミッションを聞いたりするといいかもしれません。 
例えばマーケティングやってるという割に、Webサイトの目標がとにかくPVだけ!とかなってるとちょっと怪しいですよね。  もちろんKPIとして見てる分にはいいんですがどそのPVがどうビジネスに貢献してるかリーダーとかマネージャークラスがちゃんと説明できなかったらアウトでしょう。 あとは本当に横連携ができているか、その実態が見えるかとかですかね。ここはもっと掘り下げられそうです。

そう考えると少なくとも単純に受託がよいとか、事業会社がいいとか、大企業がいいとか、ベンチャーがいいとかって問題ではないはずです
そういうこともちゃんと考えることこそが「マーケティングの仕事をする」第一歩なのかもしれませんね!(無理やりまとめた)